【このデジタルフィルムについて】
カメラ:Canon EOS Kiss Digital X(Canon EOS 400D)
撮影モード:ボディ内蔵のモノクロモード、シャープネス +7、コントラスト +4、JPEG
メモリーカード:SanDisk CF 128MB、37枚しか撮れない
レンズ:
Olympus OM Zuiko 24mm f2
Olympus OM Zuiko 50mm f1.8
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ある日、家を片付けていたら、雑多なものの下に埋もれていたLowproのカメラバッグを見つけた。開けてみると、中には大学時代に家族が買ってくれたデジタル一眼レフが入っていた。20歳の誕生日プレゼントで、母からもらったものだ。母によれば、彼女が若かった頃、20歳の誕生日プレゼントにもらったのが一眼レフカメラ(機種はCanon AV-1)だったという。だから私が一眼レフを欲しがっていると知ったとき、迷いなく誕生日プレゼントに贈ると言ってくれた。受け継がれていく感じが強くあった。
当時の私が選んだのは、2006年に発表されたばかりのCanon EOS 400Dだ。APS-Cサイズのセンサーで有効画素数1010万、正規品のボディ+レンズのキットは2万9900台湾元だった。ただ少しでも節約しようと並行輸入版を選んだので、型番は「Canon EOS Kiss Digital X」になった。それでも私は自分のカメラを「400D」と呼んでいる。
400Dを使っていたあの数年間、正直に言えば、自分の写真の腕はまったく上達しなかったと思う。要するにカメラの操作方法を少し知っただけだ。今振り返ると、機材が鍵だった。当時のレンズは2本だけ。キットレンズのCanon EF-S 18-55mm f3.5-5.6 IIと、数千元しかしないCanon EF 50mm f1.8 IIだ。
当時ネットでは誰もが口を揃えてCanon EF 50mm f1.8 IIを勧めていた。最安の大口径だとか、そういう話だ。しかし実際に使ってみると構図が取りにくいとしか感じなかった。当時の私は画角や焦点距離といったものの概念がなく、特に調べもしなかった。ただレンズの写る範囲が狭くて、室内ではほとんど使えないと思っていた。今になってようやく気づいたが、当時の50mm f1.8を400Dに付ければフルサイズ換算80mm、中望遠レンズだったのだ。扱いにくいはずである。
そんなわけで400Dを使っていた日々、最もよく使ったのはやはり18-55mm f3.5-5.6のキットレンズだった。ただそのレンズは元々絞りが小さいので、階調に驚きのある写真を撮るのは難しかった。せいぜい一眼レフで撮った写真は解像度が高いと感じる程度だった。そして携帯電話で写真が撮れるようになってから、私は一眼レフをすっかり忘れてしまった。大きなカメラを背負って出かけるのは、カメラバッグを背負う姿があまりかっこよくないという理由に加えて、一眼レフでごく平凡な写真しか撮らないのなら、軽い携帯で記録した方がましだと思えたからだ。しかも色もその場で調整できる。なんて便利なのだろう。
こうして400Dは置きっぱなしになり、私は存在ごと忘れてしまった。2024年8月頃になって、ようやくこれで撮影する可能性を考え直すことになった。
2024年3月、Fujifilm X100VIとRicoh GR IIIx HDFが相次いで発表された。私はこの2台をずっと気にしていた。フィルムに近い色を出せると感じたからだ。しかし当時の私は、自分がフィルムを撮る理由をよく理解していた。主な理由はフィルムの色ではなく、フィルムの不可逆な撮影プロセスに強く惹かれていることだ。どの判断も一度きりという感覚。その状況で撮られた写真は、一枚一枚をより大切に思わせてくれる。
私がフィルムを好きなのは、それに制限があるからだ。いつでもセーブできて無限にコンティニューできるゲームがつまらないのと同じで、たとえフィルムそっくりの写真が撮れるカメラを買ったとしても、あの平凡な満足感は得られないと思う。だからX100VIやGR IIIx HDFを買う気にはどうしてもなれなかった。
買いたいデジタルカメラが見つからない中で、雑多なものの山から掘り出した400Dがまだ使えることに偶然気づいた。しかもX100VIやGR IIIx HDFとほぼ同じサイズのAPS-Cセンサーだ。私は思わず好奇心を抱いた。慣れ親しんだOlympus OM ZuikoのレンズをCanon EOS 400Dに付けたら、いったいどんな描写になるのだろう?
そこでマウントアダプターを買い、メモリーカードを入れて、テスト撮影を始めた。自分の400Dにこれほど興味を持った主な理由は、液晶がほぼ壊れていて、撮った写真がよく見えないことだ。つまりこのカメラでは、フィルム撮影後に写真を確認できないという状況を再現できる。さらに、128MBのカードを使って1000万画素のJPEGを撮ると、カード1枚でちょうど36〜38枚撮れることがわかった。まさにフィルム1本の標準的な枚数だ。完璧な偶然としか言いようがない。
最初は400Dのボディ内設定で好みのJPEG撮って出しの色を作り出そうとしたが、400Dはカラーの設定項目があまりに少なくて断念した。最終的にモノクロモードならいけると気づき、内蔵設定でコントラストを上げると、だいぶ見られるようになった。本物のモノクロフィルムの寛容度にはまだ遠く及ばないが、少なくとも「あまり可逆的でない」撮影プロセスではある。JPEG撮って出し、写真を見るのが不便、36枚という撮影枚数の制限、見たままが写るわけではない物理的なミラー。これこそ私が思い描く理想のデジタルフィルムではないだろうか。
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#1
これがこのデジタルフィルムの1枚目だ。これから続くすべての写真をこう呼ばせてほしい。私にとって一枚一枚が固有の存在だからだ。撮影の瞬間にプレビューで確認されることはなく、カメラをパソコンにつないでカードを読み込んだその瞬間に、すべてが姿を現した。本物のフィルム撮影に近い驚きが得られたうえ、フィルム1本分の購入代金と現像代を節約できた。写真の内容は、昼食の時間にスマホのアプリで電子書籍を読んでいるところ。Facebookのようなソーシャルメディアを見る代わりに。
Olympus OM Zuiko 50mm f1.8(1/400、f1.8、ISO 1600)

#2
この一枚は、このデジタルフィルム全体の中で一番気に入っている写真だと言える。これまでフィルムでこんな写真を撮ることに成功したことがないからだ。柔らかな雲、深い空。とても穏やかな気持ちになる。
Olympus OM Zuiko 50mm f1.8(1/4000、f5.6、ISO 1600)

#3
このデジタルフィルムの写真スタイル設定はすべて固定で、Canon EOS 400D内蔵のモノクロモードに「シャープネス +7」「コントラスト +4」を加えたものだ。結果を見ると、「シャープネス +7」は画面の構造にやや不調和を生んでしまったようだ。写っているのは、私が最もよく通う現像店、Li-lai Photoだ。
Olympus OM Zuiko 50mm f1.8(1/2000、f4、ISO 400)

#4
この日は木曜日、仕事を終えたところ。歩いているときによく通る交差点だ。こういう奥まで伸びていく画面が好きだ。真ん中に電線が横切っていなければもっと良いのだが。
Olympus OM Zuiko 50mm f1.8(1/1250、f4、ISO 400)

#5
おそらく眠れない夜、散歩していたときの視点だ。
Olympus OM Zuiko 50mm f1.8(1/60、f1.8、ISO 1600)

#6
このデジタルフィルムではISO 400と1600の2つの感度しか使わなかった。全体としてISO 1600の写りの方が好きだ。ISO 400のあの透き通った感じはあまり好みではない。
Olympus OM Zuiko 50mm f1.8(1/4000、f4、ISO 400)

#7
この日は金曜日、母校の台湾科技大学(NTUST)を出たところだ。母校に戻ったのに特別な用事があったわけではない。ただ場所を変えてパソコンで仕事をしたかっただけだ。ちょうど昔の学校に戻ると、なじみのある安定した感覚がある。もしかしたらこれは、人生における安心感の追求なのかもしれない。
Olympus OM Zuiko 50mm f1.8(1/60、f4、ISO 400)

#8
この日は土曜日。妻と一緒に息子を英語教室に送り届けて、私は車を停めたところで、これから妻と合流するところだ。
Olympus OM Zuiko 50mm f1.8(1/60、f1.8、ISO 400)

#9
私のCanon EOS 400D本体。
Olympus OM Zuiko 50mm f1.8(1/60、f1.8、ISO 400)

#10
時代ごとに、男性のスーツは少しずつ違う。この写真のスーツは3つボタンのようだし、髪型から推測すると、20年ほど前のストックフォトだろう。
Olympus OM Zuiko 50mm f1.8(1/2000、f4、ISO 400)

#11
店によっては、縁起の悪い語呂の数字を意図的に避けるところがある。サービスの細やかさの表れだ。台湾のモスバーガーはあらゆるサービスが素晴らしいと思うが、番号の語呂まではあまり気にしていないようだ。
Olympus OM Zuiko 50mm f1.8(1/250、f1.8、ISO 400)

#12
以前フィルムで似たような写真を撮ったことがある。日常の中で時々目にするけれど、じっと見つめることのない小さなものが好きだ。よく見ると、たくさんの層があると感じる。
Olympus OM Zuiko 50mm f1.8(1/60、f1.8、ISO 400)

#13
この写真は左右反転の後処理をしている。自分をはっきり見たかったからだ。撮影時、私は助手席に座っていたのだが、左右反転すると運転席に座っているように見える。
Olympus OM Zuiko 50mm f1.8(1/4000、f2.8、ISO 400)

#14
「デジタルフィルム」と「アナログフィルム」の色について、最もわかりやすい違いは、デジタルフィルムは絶対的な白を出しやすいことだと思う。このドライブレコーダーの写真のように、後方の景色はすべて「飛んで」しまい、純粋な白だけで他の情報が一切ない。これはもったいないことで、アナログフィルムがデジタルに取って代わられない部分でもある。このドライブレコーダーは自分で買って、取り付けを車屋に頼んだものだ。車屋は何も聞かずに、いきなりこの位置に取り付けた。最初は少し呆然として、これでは(運転席の視点では)ドライブレコーダーの画面が見えないじゃないかと思った。ところがしばらく運転してみて、車屋のこの取り付け方が最善だと気づいた。運転席の視界がドライブレコーダーで遮られずに済むからだ。それに普通のドライバーは、用もないのにドライブレコーダーをずっと見つめたりはしない。私が誤解していたのだ。
Olympus OM Zuiko 50mm f1.8(1/500、f2.8、ISO 400)

#15
ハーフサイズのフィルムを撮るようになって初めて、デジタルのAPS-Cがどういうものかを理解した。残念ながら私のCanon 400DにはOlympus Pen Fのレンズが付けられない。もし純粋なハーフサイズのレンズを、ミラーのあるデジタルAPS-Cボディに組み合わせて撮れたら、それは完璧なのだが。このサングラスは妻がくれたプレゼントで、ずっと車に置いて使っている。
Olympus OM Zuiko 50mm f1.8(1/2000、f1.8、ISO 400)

#16
渋滞のときの灯りとワイパーの視点。
Olympus OM Zuiko 50mm f1.8(1/60、f1.8、ISO 1600)

#17
ある日、台中の大坑に山登りに行った。あそこの遊歩道は設計がひどく、丸太を並べた形状で、非常に歩きにくく危険だ。どこの担当者の発案なのか、まったく理解に苦しむ。
Olympus OM Zuiko 50mm f1.8(1/2000、f1.8、ISO 1600)

#18
木製の遊具で遊ぶ息子の後ろ姿。
Olympus OM Zuiko 50mm f1.8(1/4000、f2.8、ISO 400)

#19
中秋節のバーベキュー。息子が焼き係の主役を務めている。
Olympus OM Zuiko 50mm f1.8(1/60、f1.8、ISO 400)

#20
真剣に肉を焼いている息子。
Olympus OM Zuiko 50mm f1.8(1/60、f1.8、ISO 400)

#21
デジタルボディにフィルムレンズを付けて、フィルム撮影の制約を再現するうえで、最も難しいのはやはりピント合わせだろう。ミラーのあるデジタル一眼レフのフォーカシングスクリーンには、マイクロプリズムやスプリットイメージの合焦指標がない。すべて自分でリングを前後に回して合焦位置を探すしかないのだ。私の撮影ペースは、アナログフィルムのときより明らかに遅い。
Olympus OM Zuiko 50mm f1.8(1/30、f1.8、ISO 1600)

#22
マニュアルフォーカスの難しさは、素早く撮った写真に表れる。この一枚は、ある日息子を映画に連れて行ったときのもので、貴重な父子の時間だ。我が家では子どもと映画を観るときは、必ず英語のものでなければならない。自分たちで決めたルールだ。
Olympus OM Zuiko 50mm f1.8(1/250、f2.8、ISO 400)

#23
何年ぶりかもわからない『グラディエーター II』。この記事を書きながら、わざわざ予告編を観てみたが、観たいという気持ちは湧いてこなかった。
Olympus OM Zuiko 50mm f1.8(1/60、f1.8、ISO 400)

#24
息子と山登り中、素手でバッタを捕まえようとしているところ。
Olympus OM Zuiko 50mm f1.8(1/2000、f4、ISO 400)

#25
ジョロウグモの背にある「人の顔」の模様。これほど近くで撮れる機会はなかなかない。
Olympus OM Zuiko 50mm f1.8(1/125、f4、ISO 400)

#26
同じ絞りで、異なるデジタルISOによる画像の質感を比較してみた。個人的にはCanon 400DのISO 1600の描写の方が好きだ。ISO 400は私にはまだ馴染めない。
Olympus OM Zuiko 50mm f1.8(1/500、f4、ISO 1600)

#27
山登りで疲れて、なかなか歩けなくなってきた息子。
Olympus OM Zuiko 50mm f1.8(1/1000、f2.8、ISO 400)

#28
この一枚から24mmのレンズに付け替えた。換算画角でいえば、35mmの単焦点に近い。
Olympus OM Zuiko 24mm f2(1/30、f2.8、ISO 400)

#29
この写真をどう撮ったのか、まったく思い出せない。ただ画面の光と影がひどく不調和だと感じる。
Olympus OM Zuiko 24mm f2(1/60、f2.8、ISO 1600)

#30
この日は木曜日、仕事を終えて、これから自転車に乗りに行くところ。
Olympus OM Zuiko 24mm f2(1/1000、f4、ISO 400)

#31
宝島鐘錶(Formosa Watch)と宝島眼鏡(Formosa Optical)には、どちらも「一番高い店」という固定観念を抱いている。この固定観念は、人づてに聞いた話をあちこちから寄せ集めて出来上がったものだ。
Olympus OM Zuiko 24mm f2(1/500、f2.8、ISO 400)

#32
今月の読書会の選書『I May Be Wrong(我可能錯了)』がとても気に入っている。
Olympus OM Zuiko 24mm f2(1/125、f2.8、ISO 400)

#33
周りに『商業周刊』を読んでいる人はいないが、私自身はとても好きだ。内容の深さが十分にあると感じるし、テーマの選び方がいつも良い。
Olympus OM Zuiko 24mm f2(1/125、f2.8、ISO 400)

#34
ある日の自転車。
Olympus OM Zuiko 24mm f2(1/1000、f2.8、ISO 400)

#35
風景に関しては、やはり標準か中望遠の画角の方が好きだ。人間は風景を見るとき、自然とまず一番遠いところを眺めるものだし、中望遠のレンズは、その人間の風景の見方を模しているからだ。
Olympus OM Zuiko 24mm f2(1/2000、f4、ISO 400)

#36
この景色は、アナログでもデジタルでも、いろいろなフィルムやフォーマットで何度も撮ってきた。それでもデジタルでフィルムの感じを出すことは、いまだにできていない。
Olympus OM Zuiko 24mm f2(1/2000、f4、ISO 400)

#37
ホンダは一種の信仰だ。フィルムもきっと一種の信仰なのだろう。
Olympus OM Zuiko 24mm f2(1/500、f2.8、ISO 400)
以上、Canon EOS 400Dのデジタルフィルム1本でした。ご覧いただきありがとうございました。





